JA1FUY/NV1J
昭和40年(1965)頃、三菱コルト600のフロントトランクに福山電機工業の12BY7-6360ファイナル10W 51MHz FMトランシーバーを搭載しました。このトランシーバーはモービル機に特化したコントロール部を運転席に取り付けて多芯ケーブルで本体につなぎトランクに設置するタイプになります。コルト600は強制空冷4サイクル直列2気筒OHV594㏄ 25psのリアエンジンで、今の軽自動車より非力な普通自動車でした。
51MHz FM機は呼び出し周波数(メインチャンネルともいう)51.00MHzとサブチャンネルの2CHのみ。モータリゼーションの加速と共にモービルハムが増えてきて、サブCHが一つでは使いにくくなってきました。チャンネルの切り替えはコントロール部のトグルスイッチでサブCHに切り替える方式なので、多チャンネル化を迫られて、本体にロータリースイッチをつけて複数のXtal(水晶発振子)を切り替える改造に着手しました。
手元で操作できるサブチャンネルは1CHのみですから他のCHを指定されると、車を止めてトランクを開けて本体のロータリーSWを回して運転席に戻ります。一連の行動を素早く行うので手元でCHを切り替えているように見えるところがミソです。CH増設に興味を持たれたのが、のちに「VK1ARAのワンウェーラグチュー」で全国を沸かせたJA1RHL荒大助さんでした。交信中に「改造が見たい 」とリクエストされ、青梅街道の天沼陸橋(JR荻窪駅付近)で車を止めてアイボールQSOした思い出が蘇ります。
その荒さんが「51メガFMは 50メガAMやHF帯とは全く違った雰囲気で楽しかったですね!Eスポは発生するし、インターネットの一般化やスマホの登場など、SFの世界だったあの60年代後半、自分の車から手軽に、近くや遠くの異業種&異世代交流的な無線仲間や初めての皆さんと快適に交信できるのもたまらない魅力でした。」と述懐しておられます。
(JA1FUY/NV1J) 2023/03/18

昭和40年(1965)頃のJA1FUY 51MHz FMモービル局
JA1FUY/NV1J
私が開局した1960年ころは胸を張って門標(コールサイン)を掲げていましたし、1965年、モービルハムを始めた時も三菱コルト600のリアウインドウにコールサインを貼りつけて1.5mのステンレスホイップアンテナをなびかせて走り回っていました。 30年くらい前に東京都東村山市から埼玉県所沢市に移り住んだ頃、玄関付近の門票板(コールサイン)を見たご近所の方が「お宅に外人さんがいらっしゃるの?」と言われて苦笑したことがありました。外国人の名前に見えたのでしょうね。1960年代から使い続けたこの門標板も家の建て替えと共に取り外して部品庫へ納めて、最近まで保管したことすら忘れていました。
日本のアマチュア無線局数は平成7年(1995)の130万局をピークに、令和5年(2023)1月のアマチュア無線局が約百万局減372,124局(無線局統計情報)となりました。衰退の最大の原因として「携帯電話の普及」が挙げられるは間違いないとしても、多くの若者がアマチュア無線に興味を示さなくなったのは事実です。
コールサインを記した門標を掲げない、モービルハムがコールサインを掲げない風潮と何かが連動していないか、近年、個人情報を秘匿する傾向に連動していないか、明確な答えが見つからないのが実情です。
因みに、JARLから会員(正員・社団会員)限定の「門標板・会員バッジ」が販売されているのをご存じでしょうか。門標が315円(税込)、送料84円と手軽に入手できます。ほかに資格別門標板(1アマ黄色、2アマ緑色、3アマ青色、4アマ橙色)があり、500円の定額小為替と無線従事者免許証のコピー、コールサイン、住所、氏名、電話番号を記して郵便で申し込むと注文から1か月~1か月半で届きます。
(JA1FUY/NV1J) 2023/03/10

JA1FUY/NV1J
私は昭和35年(1960)5月28日、電話級アマチュア無線技士を取得、同年9月28日、A3、7MHz 10WにてJA1FUYを開局しました。あれから令和5年(2023)まで免許を一度も切らさず約63年が経過しました。
開局当初、電話交信の中で略符号やQ符号、和文通話表を使いアマチュア局らしさに浸っていました。この時すでにQRAを名前=自分の姓名として使っていた局(人)が少なくないと記憶しています。私は開局前から「ラジオ アマチュア ハンドブック」昭和31年(1956)6月30日6版発行 定価500円 編集人 日本アマチュア無線連盟 発行所 誠文堂新光社を精読して{Q符号表}にアマチュアがよく使うQ符号に印をつけてその意味するところを理解しました。
QRAをはじめQRH QRT QRL QRM QRN QRO QRP QRT QRU QRV QRX QRZ QSB QSL QSO QSY QTHなどに☑をつけて。これらの意味を覚えたのでしょう。先輩運用者が使う用語を聞いて鵜呑みにしない証拠が残っていました。
QRA (問)貴局名はなんですか? (答えまたは通知)当局名は・・・・です。
*昔も今も変わらぬQ符号表です。決してあなたの名前ではなく局名を言うのです。
あのフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)に「アマチュア無線での慣用として」
日本では氏名・ハンドルネームを指していたことがあった。現在はモールスでも「NAME」に代り「OP」で略す。
これも不可解な解説で意味不明、無責任と言わねばなりません。「日本では氏名・ハンドルネームを指していたことがあった、と過去形だが、現在の正解は何なのかが書かれていない。さらにハンドル(Handle)とネーム(Name)は同義語なのでおかしくないか。Handleはあだ名のようなもので上品とは言えないので、Nameを使うほうがすっきりしてよいではないか。
ついでにフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)では、
ハンドルネーム (handle name) とは、インターネット上で活動する際に名乗る仮名を指す和製英語。―中略― アマチュア無線など、インターネット上以外での名前を指す場合もある。個人の匿名性を保つためのニックネームという点において、ペンネームやラジオネームなどと同種のものである。
以前からフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)を鵜呑みにするな、正確さに欠けると言われてきたが、その事実に直面して、編集者や校閲者が関わらない環境では情報の選択が読み手の判断にゆだねられる点に留意しておきたい。
因みに電話級アマチュア無線技士から始めた私のライセンス歴は、第3級アマチュア無線技士、第2級、第1級アマチュア無線技士、そして米国アマチュアエクストラ級(NV1J)を取得して今日に至ります。
(JA1FUY/NV1J) 2023/02/27

JARL会員手帳(平成10年12月1日)第87版 Q符号のQRAに注目!