21.410MHz SSBを始めるにあたり、当時TRIO製のTS-801をファミリア800に載せて始めました。送信出力は終段6146シングルの10W、運用を始めると、410の先輩から「耳が悪い」と言われて、高周波増幅の真空管をハイゲインのものに有無を言わさず取り替えられて、あれよという間もなく21.410MHz付近の感度を上げてしまいました。とたんに、耳がよくなって、聞こえる局とは交信できるようになりました。こうしてHFモービルにはまり、仲間が集まって輸出用CB機を改造して28,480MHz SSBを楽しむようになりました。その後、車に搭載したトランシーバーは八重洲無線の名機FT-101を始め、FT-75、アイコムIC-706、ケンウッドTS-50などを愛用しました。
このころ、28.640MHzグループは大勢のモービルハム愛好家が集い、オークションを開いて盛り上がりました。中でも「タヌキ狩り」と称するモービルFOXハンティングに人気があり、微弱な信号を探索して田舎道を走り回りました。タヌキを自称する故小野英氏(JA1BU)が発信源を担当されて、森に隠したタヌキを探す競技でした。
おおよその方角はモービル局の設備でつかみ、発信源の近くに着くと、ミズホ通信のピコ10の愛称で知られるMX-28Sの出番です。コンパクトなサイズながら送信出力2W、28.50MHz~28.55MHzカバーするA CH以外に、私はB CHに28.588~28.588MHzの水晶振動子を入れて、28.640MHzをカバーしました。受信部はシングルスーパーで0.5μ入力時S/N15以上というものでした。ハンディなピコ10を持ち出し、草むらに隠れているタヌキを見つけて入賞を経験した思い出深いピコ10です。今も動作確認のため電源SWをオンにすることを欠かしません。
(JA1FUY/NV1J) 2021/02/08
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