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ランニングコストは月額198円

子どもに持たす安全なスマートフォンを手作りする

by Takashi Hioki. JF1GUQ / KA8J

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孫が小学3年生になり、最近は両親のスマホを借りてゲームをしたり、YouTubeの画像を見るようになりました。そろそろ専用の機器を与えるべきか、いやまだ早い等々……….可愛い孫を見ているといじらしくて、なんとかしてあげたくなりました。

「電気通信機器に強いジイジ」としては、知恵を絞って孫専用の低料金で安全なスマホを作ってみたいと思い立ち、形にしてみましたので紹介します。

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ベースのスマホは2017年Y!Mobileから発売されたシャープ507SHです。これはGoogleが提唱するAndroid One規格で制作されたモデルで、機器はそれぞれのメーカーが製造し、(一般的には)製造メーカーが責を負うOSのバージョンアップは、数年間(たしか3年くらい)Googleが担当するという取り決めで始まったプロジェクトで、約束通りバージョン8までの更新が行われました。手元にあるのは以前にレポートした(と思いますが)、秋葉原で未使用品が1万円で販売されていた商品です。当初SIMロックがかかったままでしたが、Y!Mobile(ソフトバンク)の回線しか利用できない(対応周波数による)ハードウェア上の制約がありましたので、これまでWiFiで使用していました。
 

ご承知のようにY!Mobileはソフトバンクのサブブランドで格安プランを提供しています。テレビCMで月額980円を謳っているのは家族割引のことで2回線目からの料金です。それには主契約が必要で月額2千円程度の料金がかかります。毎月の出費となると”孫のおもちゃ”にはちょっと躊躇する価格です。

他にはソフトバンクが吸収合併したLINEMOが単独契約で980円でした。この料金は魅力的ではありました。さらに調査を進めると数年前からソフトバンク回線が選べる格安SIMのMVNOとしてHISモバイルがサービスを開始しデーター専用、100MBまでの制限をかけた場合、月額198円で使用できるSIMがあることがわかりましたので、それを507SHに装着してみました。
 

子供専用Googleアカウントの製作

アンドロイドスマホを使用するにはGoogleアカウントが必須となります。ここでは親アカウントを流用するのではなくてGoogleが13歳未満に提供している「子供用アカウント」を用意しました。新規作成で適当なIDを選んで生年月日を登録すると自動的に子供アカウントの登録に誘導されます。いくつかの設定項目を埋めていくと子供アカウントが親アカウントに紐づけされて提供されます。13歳になれば制限が排除され、そのアカウントを引き続き使用することが出来ます。

子供用アカウントを使用した時の利点としては、午前7時から午後9時までの利用制限が掛けられますから、夜更かしして使用することを防止できます。連続使用を4時間に抑える制約も実装出来ます。

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100MBの通信制限で出来ること

HISモバイルのデータ専用SIMで、通信制限を100MBに設定すると、上限までは高速通信が保証されますが、それを超えた場合、通信速度は128kbpsに制限されます。

私のメイン回線がIIJmioの3GBタイプですが、日常使用で不便を感じることはありません。余った通信量は翌月に繰り越されますので、月初は6GBの残量があります。

私の例では月間3GBが適量となりますが、30分の1の容量となる0.1GB(100MB)の通信環境を考えてみました。

100MBは写真(5MB)を20枚送れる量です。YouTubeの視聴はそもそも子供向けのGoogleアカウントでは制約がありますから、使えないのは承知の上です。メールも使用制限でダメです。この容量では動画視聴はまったく向きませんが、それは256GBのMicroSDメモリーに好みの映像データーを保存しておくことで、不自由なくしのぐことが出来ました。コミュニケーションを主にLINEアプリを基本とすれば、音声通話は通信量が100MBを超えたところで低速度となってからも品質が劣化することなく、使い続けることが出来ました。

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どこかに出かけた時に写真を送りあうのは20枚を念頭にやり取りすれば何とかなりました。リアルタイムのやり取りは断念して、送り残したデータは帰宅後、WiFi環境で取り込むことができます。

ゲーム等アプリのインストールは親スマホからの承認が必要ですから管理することが出来ます。利用制限も4時間というのはちょうどよい感じです。もちろん制限を解除することも出来ますが「宿題やらなくなるから、制限は解除しないで!」という保護者からの意見に同意しております。

ゲーム開始時にサーバーとの通信が必要なアプリ(たとえばPokemon Goなど)も問題なく動作しました。
Googleアカウントを子供に与えると手続き中に親アカウントのIDやパスワードが求められると同時に、管理用アプリが親スマホにインストールされます。

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さっそくディズニーランドのパレードをスマホのカメラで撮影していました。

コロナ禍によりタブレットを使ったリモート授業を受けていますから。瞬時に使いこなしていました。使い方を教えるまでもありません。ゲームやカメラなどエンターテイメントの使い方だけでなく、GPS機能を使った位置情報の把握に威力を発揮します。紛失時に警告音を出すことも出来ます。子スマホの利用度を逐次監視することや、バッテリーの残量まで通知されます。

初期値で利用制限は月曜から金曜までのほか、休前日は夜更かしを許可することも細かく設定することが出来ます。もし、手元に使い終わったスマホがあるのでしたら、このような使い方で安全にお子さんにスマホを持たすことが出来るというお話でした。

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親の管理スマホからは、子の現在位置を知ることも出来ます。迷子予防には役立ちました。

【ご参考】

★持ち歩けるジュークボックス!?
「処分価格のスマホでモバイルAV環境を一新」JF1GUQ 
https://www.qtc-japan.net/2001/

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