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ツールシェッド

モバイル実験

[リフレクタ(インターネット上の仮想レピータ)通信のための]

Mobile ホットスポットの実験

▲移動ホットスポットを構成するアクセサリ

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▲openSPOT(JP仕様)の正面 アンテナは430MHz帯用

▲openSPOT(JA仕様)の背面にEthernet 端子と5Vの電源端子

「ドコモ無線LANルーターL-04D」

▲docomo Xi対応 Wi-Fiルーター L-04D 白

▲Pci MZK-MF300 N2のコンバータモードの動作図(Pciのマニュアルから転載しました)

「インバーターHF-100」
 

入力DC12V、出力電圧AC100V 、最大出力容量100Wのインバーター(大自工業株式会社)を用意しました。これも昔、クルマの中でSSTVやHFパケットラジオを運用した時に使っていたもので、いまだ健在なインバーバーターの再登場です。SharkRF openSPOTは一度パソコンでD-STARなどを設定すると、PCなしの単独運用ができますが、クルマでPCが使えるようにしておくとリフレクタの部屋を変更するときなどに役立つこともあり、インバーターをクルマに持ち込みAC100Vが使えるようにしました。これによりSharkRF openSPOT & MZK-MF300N2、L-04D、ID-31、ノートPCのACアダプタがすべて使えるようになります。

▲インバーターHF-100 AC100V、100W までの機器を使用できる

「アイコム 430MHzデジタルトランシーバーID-31」

▲アイコム 430MHz帯D-STARデジタルトランシーバーID-31

希望小売価格 \35,800 +税 技術基準適合証明(工事設計認証)取得機種。後継機はID-31PLUS.
W58×H95×D25.4mm(突起物含まず)のコンパクトなボディ、手のひらサイズ。ポケットにも、すっきりと収まり、重さ約225g(アンテナ&BP-271含む)と軽量です。

なお、ID-31の運用周波数は法令上のバンド区分VoIPの430.730MHzに設定しました。

[リフレクタ(インターネット上の仮想レピータ)通信のための]

Mobile ホットスポットの実験

SharkRF openSPOT & MZK-MF300N2、L-04D、ID-31、HF-100

by SHinzaburo Kawai JA1FUY/NV1J

「移動運用がしたい!」

 リフレクタのホットスポットSharkRF openSPOTの構築と免許申請については、アイコム(株)の週刊BEACON OnlineとーきんぐNo.212「SharkRF openSPOTでつくるホットスポット」(5月1日掲載) に詳しく書きましたので、参照ください。http://www.icom.co.jp/beacon/talk/

シャックに自分専用の小規模のレピータが作れる喜びに浸りながらJARDの認証や関東総合通信局への変更(届)に精力をつぎ込み、試行錯誤を重ねて「審査終了」にたどり着きました。さっそくDCS022Cにアクセスして内外のアマチュア局と交信しできましたが、元々モービルハムが好きなこともあってホットスポットを携帯して、出かけた先々から運用してみたいと思うようになりました。このことをQTC-Japan「編集長から皆さんへ」(3月26日)において「モバイルホットスポットの実験」をテーマに、実験のいきさつと概要を述べました。

この実験の総括として、今回の実験が目新しい技術でもなんでもなく、Wi-Fi無線LAN中継器を使ったところがミソなだけに、IT技術に詳しい友人から「既知の技術なので発表に値しない」と 酷評されました。しかし、Wi-Fiマルチポケットルーターがミソなので、このホットスポットの実験も移動運用を目指す方々の参考になるかもしれないとの思いから、その全容を公開することにいたしました。

「移動局の免許が二つ必要」

モバイルホットスポットの室内実験に成功したからと言っても、openSPOTは固定局の免許のために即、常置場所から持ち出してリフレクタに接続というわけに参りません。米国やドイツなどと違って日本には固定局と移動する局の免許が厳然とあるところから、固定局の免許でホットスポットの移動運用ができません。そこで、室内のルーター接続からドコモWi-Fi ルーターに替えて仮想の移動運用を試みることにしました。仮に固定局のopenSPOTを出張先に持って行き宿泊先のホテルからリフレクタに接続したとして、会話の上で移動先を明らかにしない限り、ばれることはないでしょうが、やってはいけないのは自明の理というものでしょう。

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クライアントとは、アクセスポイント(ホットスポット)にアクセスする無線局を指します。私の場合はアイコムのID-31デジタルトランシーバーになり、アクセスポイントがSharkRF openSPOT となります。固定局の場合は自局の移動する局と自局の固定局の免許で構成します。移動する局の場合は表に示すように異なる二つの免許が必要となり、クライアントとアクセスポイントの同一免許による申請ができません。

「SharkRF openSPOT 技術基準適合の保証書」

openSPOTは技適機ではないので、始めにJARD(財団法人日本アマチュア無線振興協会)もしくはTSS株式会社保証事業部で 技術基準適合の保証書を取得しなければなりません。申請の詳細はOnlineとーきんぐNo.212を参照いただくとして、申請のかなめは送信機系統図と諸元にあります。これがしっかりしていれば、保証書は問題なく取得できるでしょう。さらにopenSPOTはJP 仕様(430~440MHz)を選びましたので、これを送信機系統図に追加記入しました。

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▲移動ホットスポットを構成するアクセサリ

「SharkRF opeSPOT」

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▲openSPOT(JP仕様)の正面 アンテナは430MHz帯用

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▲openSPOT(JA仕様)の背面にEthernet 端子と5Vの電源端子

ARRLの機関紙「QST」 2017年10月号にて紹介されたホットスポット(Shark openSPOT)をエストニアから輸入しました。価格は182.5ユーロ(現在190ユーロ)、これに送料26.3ユーロ、輸入時の消費税(2,100円+DHLの立て替え納税手数料1,080円が加算されました。支払いはクレジットカード(VISA)で決済しましたがPaypalもお勧めです。因みにイースター(4月1日前後)特別価格90ユーロで発売した時期がありました。運が良ければ特別価格で入手できるかもしれません。
 

●注文とopenSPOTを詳しく知りたい方はWebサイトを参照ください。

https://www.sharkrf.com/products/openspot/

●openSPOTの最初のステップとD-STARモードは、openSPOTをノートPCにUSBケーブルで接続して各部を設定します。詳しくはユーザーマニュアルまたは OnlineとーきんぐNo.212を参照ください。
https://www.sharkrf.com/products/openspot/manual/

● openSPOTはDMR、D-STAR、C4FM、Fusion に対応します。私の場合はD-STARのみの免許取得で他のモードについては今後の課題として免許申請を行っておりません。従いまして、ここではDMR、C4FM、Fusionの説明をを割愛しました。

「ドコモ無線LANルーターL-04D」

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▲docomo Xi対応 Wi-Fiルーター L-04D 白

「Pci Wi-FiマルチポケットルーターMZK-MF300N2」

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▲Wi-Fiマルチポケットルーターの前面左からpower、WPS、Wirelessランプ

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▲Wi-Fiマルチポケットルーターの背面。左からDC5V、Internet、Lan端子

「MZK-MF300N2」は、オート(ルータ / アクセスポイント自動切り換え)・アクセスポイント・コンバータをスイッチで切り換える1台3役のWi-Fi ルータなので、コンバーターモードに切り替えてLAN接続可能な機器を簡単に無線化することができます。
 
YouTubeでopenSPOT使用例を観察すると、ホットスポットは無線LANルーターと共にTP-LINKのTLWR802 Nを使っていました。 無線LANルーターL-04Dはインターネット接続マシンとすると、TP-LINKのTLWR802 NはLan端子を経由してopenSPOTにつなぎます。価格は3千円~9千円と幅がありネット通販から入手可能と分かりました。これを買おうと思案しましたが、同じようなルーターが手持ちにあると気付いて探してみると、Pci「MZK-MF300N2」が出てきました。取扱説明書にコンバーターモードがあり、TP-LINKのTLWR802 Nと同じ機能を持っているとがわかりました。

 
下の図はPciのWebサイトから拝借したものです。無線LANルーターのWi-FiをMZK-MF300 N2が受けてハイビジョンTVやゲーム機などに橋渡しができることから、ハイビジョンTVの代わりにopenSPOTをつなげばいいと理解しました。MZK-MF300 N2はアマゾンから3,200円で手に入りますが、私の場合、数年前に秋葉原のPCショップで2~3台買った記憶があり、一時期、宅内やホテルの部屋で無線ルーターとして使っていました。値段は箱入り新品で千円程度でした。現在はお蔵入りでしたから出費ゼロとなりました。いまでも500円~千円程度手に入ると思われますので、わざわざTP-LINKのTLWR802 Nを買わなくて良いと申し上げておきます。

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▲Pci MZK-MF300 N2のコンバータモードの動作図(Pciのマニュアルから転載しました)

「インバーターHF-100」

入力DC12V、出力電圧AC100V 、最大出力容量100Wのインバーター(大自工業株式会社)を用意しました。これも昔、クルマの中でSSTVやHFパケットラジオを運用した時に使っていたもので、いまだ健在なインバーバーターの再登場です。SharkRF openSPOTは一度パソコンでD-STARなどを設定すると、PCなしの単独運用ができますが、クルマでPCが使えるようにしておくとリフレクタの部屋を変更するときなどに役立つこともあり、インバーターをクルマに持ち込みAC100Vが使えるようにしました。これによりSharkRF openSPOT & MZK-MF300N2、L-04D、ID-31、ノートPCのACアダプタがすべて使えるようになります。

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▲インバーターHF-100 AC100V、100W までの機器を使用できる

「アイコム 430MHzデジタルトランシーバーID-31」

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▲アイコム 430MHz帯D-STARデジタルトランシーバーID-31

希望小売価格 \35,800 +税 技術基準適合証明(工事設計認証)取得機種。後継機はID-31PLUS.
W58×H95×D25.4mm(突起物含まず)のコンパクトなボディ、手のひらサイズ。ポケットにも、すっきりと収まり、重さ約225g(アンテナ&BP-271含む)と軽量です。

なお、ID-31の運用周波数は法令上のバンド区分VoIPの430.730MHzに設定しました。

「動作は上々」

始めにL-04DとMF300N2の電源SWオン、次にL-04DのWPSボタンを長押し、続いてMF300N2のWPSボタンの長押しで、LANポートに接続したOPENSPOTがリフレクタに接続可能となります。ID-31のPTTを押して送信するとopenSPOTが中継してくれます。試しに送信を試みるとJapan2 DCS022リフレクタシステムのUser DashboadシステムにJA1FUYが登載されました。この時、運よくJA1JCN 菱山さんと交信できて、Mobileホットスポットの正常動作が確認できました。
x-NET DCS022 Dashboad

 

◎なお、実験に使用したopenSPOTは200W固定局の第4送信機として免許(変更届)されたもので、常置場所での動作確認に違法性はありませんので、念のため申し添えておきます。

「おわりに」

実際にMobileホットスポットを実現するには社団局にopenSPOTの増設のための変更(届)を出して(電子申請)「審査終了」とならなければなりません。ドングルにopenSPOTを再購入するか、他のドングルにするかを検討中の状況にあります。それにしてもわずか20mWの送信機(openSPOT)に煩雑な変更(届)が必要という現行法制に疑問を感じております。とはいえ、順法精神で取り組むのは当然として、最近、米国から輸入したDV4miniのバンド幅が米国仕様であることや送信機系統図と諸元の入手をどうすればよいか? 手をこまねいているところです。妙案がありましたらご教示ください。de JA1FUY / NV1J

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