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二度目の受験で栄冠を勝ち取る!

1アマ高齢受験記

​ー 第一級アマチュア無線技士 ー

Kazuaki Yada  ex JI1FOL(SK)

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JI1FOL/6 対馬で7と10メガCWのパイルアップを受けてご機嫌な矢田さん

■70歳になってなぜ1アマに挑戦するのか?

家族曰く、何故いまさら1アマ国試受けるの?それはそこに山があるからだ!と同じ、そこに最高位の1アマが有るからだ。そ
れにやはり HAM を始めた以上は1アマを取得しなくては、との思い。 1932年生まれ、2アマを取得して20年、もはや脳は20歳台の半分位の能力か?

まして退職後、8年も経っていて実戦とはほど遠く、公式など殆ど忘れてしまっていてはたして合格の可能性はあるのか?でも時間を掛けて努力すれば必ず合格する。脳は使わないとますます衰える、と自分に言い聞かせて受けてみました。

■まずは電信受信試験

CW は日常やっていましたので自信はありましたが、それでも毎日テープを聞いて耳慣らしは欠かしませんでした。それに書くことが非常に大事であること、日常の QSO では別に気にしないのですが、いざ試験と言うと訳が違います。書き方は重要なポイントです。絶対大文字は使わないこと!

英字一般文ですから長い単語が必ず入っていますので、連続書きが出来るように慣れる、例えば t i j のような時は横棒や点は書かずにその単語が終わって次の単語に移る時の1間隔か、その他で余裕のできた時に書くこと。

必ずその時がありますから。自信が無かったらその字は書かない! 3分ですから30秒ぐらい書かないで深呼吸しても未だ大丈夫。 わたしも長い単語を一つ、全く書きませんでした。

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大分書かなくても意外と合格点に入りますから。間違えそうなら書かないこと、自信が無かったら書かない、これが鉄則ですね。それから語学、特に英語力のある人は絶対有利です、なぜなら文の意味が解るので先が読めますから。

■1 回目は見事不合格?!

昨年の8月期に1回目を受けましたが、学科は見事不合格!電信のみ合格でした。3年有効ですから、3年以内に又学科を受ければいいとその時は思いましたが、3年はこの歳になると今まで以上に合格は苦しくなること間違いない、そこで続けて12月期も受けることに。電波法規は問題集を3回も読んでいればほぼ90点は取れますので合格。

■やはり一番の難関は無線工学

先輩諸氏は、なに3回問題集を丸暗記すれば大丈夫!とよく言われますが、それは全て理解した上でのこと、数値が違ったらお手上げです。8月期はそれでダメでした。昨年の新しい問題が4月期に12問、8月期に9問、12月期に8問、出題されたとか。例えば12月期に8問全部間違えて40点減ですからギリギリで合格ライン、150点満点、
105点合格ですから。

■公式の使い方から勉強し直す

そこで今回は基本から全部理解できなくてはと思い無線工学の本を追加購入し公式の使い方から勉強し直しました。また、分数の展開とか、すっかり忘れているので高3の数学の本も参考にしました。これが一番参考になりました。しかし一通り終わってみると、もう前のほうを思い出さない!

そこで今回は絶対合格!とし一日4時間、2ヶ月、試験の前日まで、無線工学を、土日に軽く法規にとスケジュールを決め、試験まで集中力を切らさないようにしました。パターンはまさに学生の受験と同じようにしました。それで相当に自信がつきました。若い人ならそこまでしなくても大丈夫でしょうが、なかなか歳をとると集中力が保てません。

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■晴海会場の合格率"24%"

試験当日、会場は学科だけの人が70人ほど、開始前に試験官が余談として合格率は全国平均"17%"、晴海の会場の合格率"24%"との話がありましたが、大分差のあるのは何故だか説明はありません。最近の問題は論理回路、通信衛星関係、は必ず出るようですがたまに真空管もでています。1954~7年と比べてみても難易度は代わりません。むしろ問題数が多い分だけ大変。先輩諸氏に叱られるかな?公式を複数使う問題がありますので要注意です。

■気分を切り替えるのにトイレに!

問題はやはり解からないのが何問かあり、解答用紙を出していい時間になっても解かりません。そこで気分を切り替えるのにトイレに行かしてもらいました。もちろん、試験官が付いて来ます。これも効果がありました。もちろん、本当にトイレに行きたかったのですが、席に帰って問題を見直して見て"なんだあの公式だ!"と思い出した問題が2問あり、10点ゲット!これは大きいです。これで余裕ができました。でも全部解答できてからもチェックを丹念に時間まで出しません。
これも大事です。会場を出てホッとしましたが、やはり歳、相応の努力と要領も必要でした。

■次の目標はパワーアップ

従事者免許証は平成14年1月25日発給されました。次の目標はパワーアップです。しかしこれは都会では非常に困難ですが、一つの目標にと思っています。SSTV モードでアメリカの壁を破り、カリブ、南米を制覇するために。皆さん、ハムである以上、1アマの資格まで取得すべきだと思います。パワーアップ ばかりでなく、世界中何処に行っても問題なく通用するのは1アマのみです。また今後の運用規則、その他いろいろな規制の変更があっても心配無いのでは?

2アマになると国によっては制約されてしまいます。特に海外での運用もこれからは今まで以上に多くなるでしょう。海外旅行、出張、DXペディション等若い人には、そのような機会がますます多くなると思います。

高齢者の方も海外旅行方々、運用など制約なしでできるのではないでしょうか?
若い人も高齢者もぜひがんばって第一級アマチュア無線技士の資格取得に挑戦してみてください。落ちて元々、挑戦するだけでも意義ありです。 一回で合格などと考えずにとにかく受けて見ることです。

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