オートダイン研究会の講演

オートダインの過去と現在(2)

 解説:JA1CA 岡本 次雄 制作:JA1HQG 有坂 芳雄  資料提供:JA1AR 木賀 忠雄

No.18  これはハネカムコイルを前後に動かす方式です。このミヤマ製作所は戦前、アマチュア用の部品多数を製作した会社でした。

No.19  これはスパイダーコイルを前後に動かす方式です。画面では下が切れていますが、これは品川駅前にあった小川忠作商店のものです。ここと神田のYMCAのとなりにあった富久商会が有名でした。小川商店は廃業し、富久商会は現秋葉原にあります。

No.20  当時は図に示すようなレフレックス方式が愛用されました。昭和のはじめにはさすがにUX201Aも10円というバカな値ではなくなりましたが、メーカーによって異なりますが、2~3円の値でした。 2円としても今日の価格では6,400円です。真空管の数を減らすことが必要だったのです。

一方、フィラメント電池は6V 30Aの蓄電池を使用しましたが、これは町に充電屋という商売がありFBでした。プレート電池は90Vを必要としたのですが、これは今日の単2と単3の中間位のセルを30個パックにした45Vのもの2個を使用いたしました。

3球式で1日4時間位使用して半年位はもちました。価格は先ほどの小川商店の広告に45V 1個23銭と出ております。

No.21  これはラヂオ新聞の大正14年12月に掲載された広告です。前の2球レフレックスに更に低周波1段を追加して3球式としたものです。東京市内ではJOAKが出ていない夜間は大阪、名古屋が受信できました。

それにしても当時の百円は普通のサラリーマンの2カ月の月給に相当いたしました。一体、どんな人が買ったのでしょう。なお、このラヂオ電気商会は本郷の東京大学の門前にあった赤門ビルの中にありました。雑誌「無線と実験」も大正13年5月にここで創刊されました。我々は湯島の切り通しを上がってよく通ったものでした。

No.22  さて、ここで再びアマチュア無線のオートダインにもどります。この写真はJ1CV 有坂磐雄氏のシャックです。世田谷区の駒沢にありました。画面中央の②が受信機です。アマチュア局のコールにJ1という数字が入ったのは昭和4年1月ですから、その直後の写真と思われます。波長38m(7.9MHz)でした。

No.23  その回路図を示します。これは容量結合再生式という方法で、Cpgが8.5pFもあり、Gmの低いUX201Aでは最も再生が掛りやすい方法でした。ただし、急にポカンと再生が掛るので電話の受信には不向きでした。

No.24  これは長野県岡谷市にお住まいだったJ2CG 故林太郎氏の製作された0-V-1です。同氏は昭和5年5月に免許を得られ昭和16年12月まで運用されました。このセットも有坂さんと同様の容量結合再生式で、手前のコイルがプレートコイルです。

同氏とは生前、何回かお目に掛りましたが、広大なお宅には当時のセット多数がそのまま保存されておりました。同氏は明治38年のお生まれでしたが先年亡くなられましたが無線関係遺品はすべてJARL展示室に寄贈されました。

No.25  これも同氏製作の0-V-1です。使用真空管は東京電気の特許により製作した日本真空管のNVV-6Aというものです。

これはサイモトロンより、かえって性能がFBでした。右側のモーターのようなのが低周波トランスです。

No.26  ここで画期的なことが起こりました。交流傍熱管UY227の出現です。 同管は 

Ef=2.5V If=1.5A Ep=250V 
Esg=67.5V Ip=5.2mA   
μ=9  Gm=0.5m  
γp=9.3kΩ

でUX201AよりかなりFBで、交流点火でもグリッド検波が可能でした。したがってオートダイン検波も可能となったわけです。これは「無線と実験」昭和4年10月号に出た広告です。

発売当時の価格はサイモトロンで2円50銭、ニ流といわれた品で2円位でした。私はドン真空管というものを買いました。これによって家庭用ラジオは初めて安定に使用できるようになったといえます。

No.27  これは「無線と実験」昭和5年10月号に出た製作記事です。

No.28  ここでさらに画期的な事が起こりました。遮閉グリッド4極管の開発です。これで初めて中和なしで高周波増幅が可能になりました。短波帯では実際上G-P間の容量を中和することは困難でした。初めてわが国に輸入されたのはラヂオトロンのUX222でした。 写真はこれと同規格のカンニングハム社のCX322です。
規格は直熱管で、Ef=3.3V If=0.132A Ep=150V Esg=67.5V Ip=3.7mA I_SG=1.3mA  μ=160 
Gm=0.5m  γp=325kΩ でした。フィラメント電力が少ないのみでGmの少ないのはやむを得ないことでした

No.29  ほとんど同時に交流傍熱管UY224が発売されました。画面に示すのは「無線と実験」昭和7年3月号に出た広告です。

規格はEf=2.5V If=1.75A Ep=250V Esg==90V Ip=4mA 
Isg==1.7mA  μ=630 
Gm=1.05m γp=600kΩ

で、UX222よりかなり性能が良くなっております。価格は画面に示すように3円とかなり安くなりました。なお、UY235はYU224をリモートカットオフにしたもので始めてAGCが可能になりました。

No.30  これによりラジオ受信機も大きく変わりました。これは「無線と実験」昭和7年3月号に出たナショナルの広告ですが、この5球式というのはUY224を高周波増幅に使用したものです。二重放送分離完全というのは当時、初めて第二放送が開始されたからです。JOAKの周波数は第1が869kHz、第2が612kHzで東京市内では高周波増幅なしではやっと分離できる状態でした。 。

No.31  4極管の出現により当然アマチュア無線用の受信機は大きく変わりました。もう誰も0-V-1など使う人はいなくなりました。これは昭和5年頃に使用されたJ1DM半田浅一郎氏の7~14MHz用でまだ高周波増幅は非同調を使っております。この頃のプラグインコイルはUX201Aのベースを使用いたしましたが、怪我をしないように球を壊してベースを回収するのに苦心しました。

No.32  これは前に申し述べましたJ2CG林太郎氏の1-V-1です。高周波増幅は同調型になっており、今日のものと同様です。

No.33  そして、その内部ですが回路図はわかっていません。 UX222-UX222-UX201A と思われます。

No.34  これはJ1EE後のJR1LDR中川国之助氏の1-V-1の回路図です。昭和8年頃のものです。

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